ギャンブル依存症とかのブログ

確率論に言及しないギャンブル依存症対策や治療に疑問を感じます。
不許複製。

タグ:ビギナーズラック



ビギナーズラック

ギャンブル依存症のゲートウエイ、入り口となりえる『ビギナーズラック』において、気づいた点についてのエントリーです。


ギャンブルで『ビギナーズラック』と言えば

『ビギナーズラック』は、初心者がギャンブルなどの賭け事で幸運で勝ってしまう事、即ち、確率的に低い当たりを引く事を言います。上記のような例が考えられますが、不思議と私の周りでは、そのような話を聞いた事がありません。ちなみに、私には『ビギナーズラック』は無く、むしろ、初めは全く勝てませんでした。



オペラント条件付けの正の強化


正の強化(Positive reinforcement)は、好ましい事象・刺激が行動の結果として提示され、それによって、その行動が増加する場合に起こる。正の強化子は、動物がそれを獲得するために働く刺激事象である。 言葉および物理的報酬は、非常に効果のある正の強化子である。

例:企業はインセンティブ・プログラムを実施し、従業員は販売された品目の数に応じて賞を獲得するとする。従業員が受け取った賞は、これにより売上が増加した場合は正の強化子とみなされる。


引用元・オペラント条件付けの正の強化 - ウィキペディア(Wikipedia)

『オペラント条件付けの正の強化』。これを念頭に置くと、『ビギナーズラック』でギャンブルに勝ち、お金を得る事が、非常に効果のある正の強化子になり、ギャンブルの回数が増える事になります。

しかし、『ビギナーズラック』も長くは続かず、期待値がマイナスのギャンブルをしていれば、理論値通りに負債が増えていきます。そして、その負債を取り返そうとするのがギャンブル依存症の症状の一つになるのではないでしょうか。



負けを取り戻す為にギャンブルをしていませんか





ギャンブル依存症の症状の中に上記のようなものがあり、また、各省庁のギャンブル依存症関連のPDFにもこのような表記があります。(*1)そして、ギャンブル依存症自己診断ツール「LOST」にも下記のチェック項目があります。


「ギャンブル に負けた時にすぐに取り返したいと思う」(*2)


更には、ギャンブル依存症ポータルサイト「カケルとキョーコ」にも下記の表記があります。つまり、「金を取り戻そう」と思ってギャンブルをやり始めたら、精神科や自助グループ、支援機関に相談しましょうという事なのです。


「お金を取り戻したいからやる。」「お金を取り戻さないとやめられないよ。」(*3)


しかし、ギャンブルの根幹であり、勝敗(お金を取り戻せるか否か)の重要なファクターである「確率論の知識を有しているのか」「その知識を基にギャンブル に対して行動しているのか」を確認せずに、「ギャンブル依存症だ!」では、少々、強引すぎるのではないでしょうか。

これでは、交通ルールを知らない運転者が、なんら瑕疵の無い車で暴走して事故を起こしても、車の責任にするようなものです。

然すれば、「ギャンブル依存症」と精神科や自助グループ、支援機関に相談や治療などの前に、まずは、ギャンブルの根幹である確率論(独立試行、期待値など)の知識と、その知識を基にした、ギャンブル に対しての行動を身につけるのが先なのではないでしょうか。


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ギャンブル依存症の予防的、早期介入

ギャンブル依存症自己診断ツール「LOST」や、ギャンブル依存症ポータルサイト「カケルとキョーコ」は、ギャンブル依存症の早期介入ツールです。

しかし、DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル:アメリカ精神医学会)では、予防的、早期介入を促す「精神病リスク症候群(弱性精神病症候群)」の診断カテゴリーを導入する提案がありましたが、米国心理学会やDSM-IV作成委員長のデューク大学名誉教授アレン・フランシス氏が強く反対して提案は破棄されました。

その理由として、精神科医・大野裕氏(国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター所長を経て現在は顧問。皇后陛下・雅子さまの主治医)のインタビューにおいて、アレン・フランシス氏は下記の回答をしています。


精神病になると言われていた10人中9人が精神病にそうならないのです。精神疾患の予防法として立証されたものはありません。(*4)



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強迫的ギャンブルへのインビテーション

ギャンブル依存症の早期介入ツールで自己診断をして、精神科などでカウンセリングを受けてしまうと、自助グループや回復施設で12ステップをする可能性が高くなると思います。

そして、「強迫的ギャンブラー」を自認する可能性が高くなり、「絶対にギャンブルをしてはいけない」「自分の意思ではやめる事はできない」「進行性の病気で完治する事は無い」と強迫される事を拒否できず、また、スリップ(リラプス)を繰り返す可能性も否定できません。



クオリティオブライフ

しかし、人生は我慢大会ではありません。確率論の知識を得て、勝てる勝負が圧倒的に少ない事を論理的に理解、紐付けして、ハームリダクション的に徐々に抑制していくのと、「全てのギャンブルを絶対にしてはいけない」と強迫的に我慢するのとでは、心理的負担と効果の差は明らかなのではないでしょうか。


例えば、会社などで新人にレクチャーする時にも、合理的な理由を紐付けしてあげれば、理解度がより高まりますよね。


あくまで主観ですが、人生とは「やりたい事をやる」のが人生であると考えます。クオリティオブライフという観点で捉えると、苦しい思いをしてコントロールするのと、段階的にコントロールするのとでは、有限である人生の充実度が変わってくるのではないかと考えます。



最後に



なぜ、このような挑発的なツイートをしたのかの理由はご理解頂けましたでしょうか。私は、「ギャンブル依存症」は医療側からの観点に偏りすぎていると感じます。すこしだけ、ギャンブル側からの観点を持てば、ずっと楽に、ギャンブルを抑制できるではないでしょうか。

間違いがあれば、ご指摘お願い致します。


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(*1)Google検索結果・『ギャンブル 負けを取り戻そう pdf』
(*2)引用元・ギャンブル依存症自己診断ツール『LOST』
(*3)引用元・ギャンブル依存症ポータルサイト「カケルとキョーコ」
(*4)引用元・精神医療ダークサイド(元読売新聞東京本社医療部・佐藤光展氏著)(p177)



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プロフィール

年齢40代。医者でも学者でもソーシャルワーカーでもないブルーワーカー。ネット草創期の前後からパチンコ屋で過ごす。10代半ばからパチンコ屋に通い始め、勝っては優越感や達成感を味わい、負けては絶望感を味わった。お金が無くても、彼女といても、授業中でも、ギャンブルをやる、沸き起こる衝動に駆られていた。勝つ快感を求めてどうやったら勝てるか?とやっていたら、ギャンブルのコントロールだけはできるようになった。記述内容に間違いがございましたらご指摘お願い致します。



前書き

10年以上前の「ギャンブル依存症」という言葉がそんなに世間で認知されていない頃に、いつも勝てる台が無い時は帰っていて、勝てる時にしか長時間やってなかったので、どのように考えて行動してるかを聞かれて答えた事を書いてみます。これが「論理療法」的なものと知ったのはずっと後の事です。回復なんて全く意識してませんでした。



論理療法とは

論理療法(ろんりりょうほう、英語: rational therapy)とは、アルバート・エリス(Albert Ellis)が1955年に提唱した心理療法で、心理的問題や生理的反応は、出来事や刺激そのものではなく、それをどのように受け取ったかという認知を媒介として生じるとして、論理的(rational、あるいは合理的)な思考が心理に影響を及ぼすことを重視している。1990年代より名称が変わり、邦訳では理性感情行動療法(英語: Rational emotive behavior therapy ; REBT)などと呼ばれるが、当初の論理療法と呼んでも間違いではない。
引用サイト・・・論理療法-wikipedia

目的意識

大半の方が初心者から「やらないと勝てない」で始めて「勝った(ビギナーズラック)」となります。それが依存への入口となります。そこで「やらないと勝てない」から「勝てないとやらない」への軌道修正を行います。



相談者

相談者は相談された人からの伝わったのも合わせて20人ぐらい。軽傷、中等症、重症の3段階に分けていきます。どこかのブログで併存障害は無いと断言していたが、そんな事は全く無い。20人の中には窃盗癖のある方、反社会性パーソナリティー障害、発達障害の特徴のある方が見受けられた。軽中重の分け方は主観です。

ざっくりした比率
  • 軽症10%
  • 中等症80%
  • 重症10%

軽症

多分勝てないという認識はあったが調べていない方。ちょっと夢中になった感じ。確率論(期待値や独立試行)やギャンブルの仕組みの話をしただけで「ああ、やっぱりね。」という感じで、次の日からパチンコに全く行かなくなった。


中等症

確率論やギャンブルの論理的知識の有無は関係無く、「やらないと勝てない」や「やるのが目的」になってしまっている。なんらかのパーソナリティ障害、発達障害の特徴がある方、窃盗癖のある方、貯金を全部使ってしまった方など。


対策

「勝てないとやらない」への軌道修正の為に、確率論やギャンブルの論理的知識のない方にはネットで調べて知識を得てもらう。自らが行っている行為を客観的に見てもらう為にデータ(遊技データ、収支)を記録してもらう。あとは勝てる台が無い時の時間の潰し方。ネットカフェ、ゲームセンターなどや他のパチンコ屋を見に行くなど。

このレベルの方は「やるのが目的」になってしまっている方が多く、なかなかコントロールできないが、衝動を抑えきれずにやってしまっても、ギャンブルの論理的知識があると記録しているデータ(遊技データ、収支)で「期待値マイナスの台はやっぱり勝てない」と認識して徐々にコントロールできるようになる。「期待値マイナスの台はやっぱり勝てない」が1ヶ月も続けば「期待値マイナスの台はやっぱり勝てない」を現実的に認識するのでは。

古い話なので確認は取れないが、知っている限りでは再発0。ロジカルに考えるようになると仕事や人生にもプラスになる気がする。


重症

確率論やギャンブルの論理的知識はほぼない。「やらないと勝てない」や「やるのが目的」になってしまっている。なんらかのパーソナリティ障害、発達障害の特徴がある方、ギャンブルの負債を犯罪で補填してた方、何度も再発してる方、老後の貯金を全部使ってしまった方など。高齢者が多い。


重症者への私感

生活の中で「優越感」や「達成感」などを感じるポイントがない。「努力」や「忍耐」が苦手、できない。法律の意識が低い。手軽に「ハンドルを握ってるだけ」「ボタンを押してるだけ」で「優越感」や「達成感」を感じられるパチンコやスロットをやっている。また、インターネット時代でも情報量が少ないか情報取得に偏りがある。


対策

中等症の方と一緒で「勝てないとやらない」への軌道修正の為に、確率論やギャンブルの論理的知識のない方はにはネットで調べて知識を得てもらう。自らが行っている行為を客観的に見てもらう為にデータ(遊技データ、収支)を記録してもらう。が、ギャンブルの論理的知識を理解しても、「勝てる台なんてないじゃないか!」「パチンコをやりに来てるのにやらないで帰るのか!」と自らの行為をコントロールする為に行っている事をなかなか理解できない。データ(遊技データ、収支)も面倒臭がって記録しない。故に、コントロールはできない。

また、この方々は回復施設に入所しても、GA(ギャンブラーズ・アノニマス)・12ステップに行っても「こんなので回復する訳がない」と放棄している(実際に回復しないが)。通院して衝動を抑える薬を服用しても、否認、高額などの理由でやめている。

だが、こういった方でも1度でも話を聞けば、生活破綻が見えてきた時などの「きっかけ」があると、自らをコントロールしようという意識が芽生えるのか、収支だけでも記録するようになったりする。必然的に「簡単には勝てない」という現実を突きつけられて、この方々も回復した。古い話なので確認は取れないが、「簡単には勝てない」という事を身を以て理解していれば、再発はしていないと推測する。



全体の特徴

  • 中等症以上の方は、ほぼ、親の前や先生の前などの評価をつけられる人の前では真面目を装うが、実は不真面目な人や、いわゆる「不良」に属する人が多数。一言で言うならば、「バレなければ何をやってもいい」という人。
  • ギャンブルに対しての正確な論理的知識が多少しかない、もしくは無い人が多い。
  • 知識がある人でもデータ(遊技データ、収支)を記録してないので「だろう」が多い。
  • 意外と若い人でも情報取得に偏りがあったり、様々な情報に接する機会が少ない事が多い。
  • 中等症以上では発達障害と複数のパーソナリティー障害の特徴が混合している方が見受けられる。
  • 面倒臭がりが多い。

予防のまとめ

自らの意思をセルフコントロールするのにギャンブルの論理的な知識を紐付けられば、他の行為への逃避より、その意思はより強固になるのではないか?ギャンブル依存を自覚する方は、金のかかる事(通院、回復施設)よりも、まずはデータ(遊技データ、収支)を記録するところから!

  • ギャンブルに対しての正確な論理的知識を知るのは早ければ早い程良い
  • マイナンバーと顔認証を使って入出場を管理
  • マイナンバーと連動してデータ(遊技データ、収支)を強制的に記録
  • マイナンバーと連動してカジノサイト等へのブロッキング(ネットカフェのインターネットブースでも。)知人などの家のPCは防げないが。。。

かのピーター・ドラッカーもこの言葉を残している。

「重要なのは、データを取ることがビジョンを生み出すということである」




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